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2005年1月10日
iBook G4 12inch レビュー
というわけで、買ったからには軽くレビューを。
現在新品で買えるノート型 Mac で最軽量・最小なのは Powerbook G4 の 12inch (以下、PBG4 12")だけど、このマシンを見た後ではスペックと値段がいまいち釣り合っていないという判断をせざるを得ない。このマシンは11万円そこそこで入手できるが、PBG4 12"は約19万円である。ボディ素材とCPUのパワー、メモリのバス幅、HDD容量に差が出てくるが、それを見越しても、少し値段が違いすぎるという印象を持つ。その点、このマシンは適正な値付けじゃないかなと思う。
しかし、アルミ合金のPBG4 12"は比較的軽量、高剛性であることから、毎日の通勤でも距離が短ければもって歩いてもいいかな、という気になれる。ポリカーボネートのiBookは鉄板と比べて粘る素材であるから、遜色ない剛性を誇るハズなんだけれども、ツルツル滑ってすぐ落としちゃうのが怖い。重量も2kgをゆうに超え、サイズもWindows機のモバイルマシンから見れば比較にならないほど大きい。これを持ち歩くというのは余程の理由がない限りはオススメできない。
モバイル用途となると全然駄目なこのマシンだが、身近にMacを使っている人が居るという前提付きではあるが、入門者が家の中でこのマシンを使うというのは悪くないんじゃないかと思う。ちょっと環境を選ぶがインテリアにもマッチするデザインだし、ホームポジションをきっちり固定してタイピングができるキーボード、比較的聴ける音のスピーカー、WLAN内蔵、バッテリでの長時間駆動などなど、基本を押さえた上で最近のPCに要求されるところは全て搭載してあるため、実用になるマシンに仕上がっている。ちょっと汚れそうで気になるところであはるが、各パーツの質感も上々である。少なくとも11万円で買えるマシンだとは到底思えない。(PBG4なども12"のあのサイズだって20万後半くらいに見える)所有することの喜びを少し感じさせてくれるマシンじゃないかな。とはいえ、最近の出来の良いWindowsマシンと比べると趣味的なところだけが突出しているようにも見える。
以前のAppleっていうと、崇高(らしい)な理念のもとでマシンにユーザーが合わせて当然というような風潮があった。未だにマウスボタンはシングルだし、OSの仕様もコロコロ変わる上に古いマシンはOSアップグレードからも見放されるなど、x86マシンで生きてきた人には到底理解し難いブランドであった。で、最近はどうなのかというと、非公式ながらスクロール機能のついたUSBマウス(3ボタンとかのも)普通に使える。右ボタンにもきちんと機能がアサインされているし、スクロールホイールもきっちり動作する。理念の押しつけを止め、価格を下げてきたのはAppleに何かしらの変化があったのだろうと考えられる。OSもOpenなものがベースになっているわけで、ユーザーが介入できる場所がかなり増えた。UNIXを使い続けてきた向きには Office も動く UNIX マシンとして、支持されるであろう。
似たようなことを続けてきた某家電メーカーのPCは、未だに理念の押しつけをやめていない。メーカーの意図通りの使いかたをするユーザーを囲い込んでライフスタイルにまで介入してきている。そこから外れようとすると、そのマシンは急に不便なものになってしまう訳で。そういう考え方は、そろそろ止める時期なんじゃないかと思う。
このiBookはデザイン優先の筐体で、それはそれで悪くはないのだけど、左側にしかないUSBポートはちょっといただけない。マウスを繋げようと思うとケーブルの長さをよく検討しないといけなくなる。モバイル用と銘打って売られているマウスはほとんどが短いケーブルを使っているだけに、ちょっと不便な思いをするかもしれない。また、バッテリーの固定が甘くなりがちな機構で、ちょっと浮いているのがとても気になる。デザインに凝るなら、こういう詰めの甘さは見せて欲しくなかったな、というのが正直なところである。
UNIX環境で開発をやっていたり、ネットワーク管理などの仕事をやっているSE/NEにはオススメできるマシンに仕上がっていると言えよう。また、前述したが、近くに詳しくて教えたがりのMacユーザーがいる環境なら初心者にもオススメである。そうでない人、つまりWIndows環境から外に出たことがないという人には全然オススメできない。そのままWindows環境でやっていったほうが幸せになれるであろう。上級者から初心者まで、幅広く使えると見えて実は中間層には全くオススメできないマシンである。一番小さいMacだとは言え、Windows機のモバイルマシンと同じ感覚で買ってしまうと痛い目に遭うこと請け合い。また、覚悟を決めてMac環境をメインにするというなら、拡張の効くデスクトップマシンにすべきである。このマシンでは、拡張するにもUSBしかない訳で、様々な制約が生まれる。一部の例外を除いて、あくまで複数台のPCを持つ比較的ハイレベルなユーザーに向けたサブマシンであると言って過言ないであろう。Terminal開いて、MS Officeのドキュメントを見ながら作業というような用途なら、このCPUパワーで十分であるし、かなり使えるマシンなんじゃないかと思う。
以上、UNIX/Windowsユーザの視点からレビューでした。
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